道路交通法

公道上でドローンを離発着させる場合は『道路使用許可申請書』を管轄の警察署長宛に提出し、事前に許可証の取得が必要です。

公道上空の飛行の場合は、道路の上に物を置いたり、道路において作業をしたりするわけではないので、第76条及び第77条の適用範囲外となります。また、道路交通法には道路上空について明確に定めているような記述は存在しません。

道路上空でドローンを飛行させる場合に道路使用許可が必要か否かという点については、平成27年の「国家戦略特区等に関する検討要請」に対する警察庁の以下の回答が非常に参考になります。

道路における危険を生じさせ、交通の円滑を阻害するおそれがある工事・作業をする場合や道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような撮影等を行おうとする場合は、ドローンを利用するか否かにかかわらず、道路使用許可を要するが、これらに当たらない形態で、単にドローンを利用して道路上空から撮影を行おうとする場合は、現行制度上、道路使用許可を要しない。

道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような撮影等を行おうとする場合は、ドローンを利用するか否かにかかわらず、道路使用許可を要するが、これに当たらない形態で、単にドローンを飛行させようとする場合は、現行制度上、道路使用許可を要しない。

参考国家戦略特区等提案検討要請回答

 単に道路上空でドローンを飛ばすだけであれば、道路交通法に違反せず道路使用許可も必要ないとの解釈が一般的です。

ただし、明らかに車とぶつかり得るような低高度を自動車が頻繁に行きかう道路上でドローンを飛ばせば、当然ながら交通を妨害したと判断されます。どれくらいの高度があれば「上空」と判断されるのかは明確でないですが、道路使用許可は必要ないと判断できる場合でも、最寄りの警察署に飛行日時を事前に通達しておくのが望ましいと思われます。

民法

ドローンを飛行させる場合、国土交通大臣の許可を取得したら、どこでも飛行させて良いわけではありません。他人が所有する土地でドローンを飛行させるには、その土地の所有者の許諾が必要です。当然200g未満のドローンでも同様です。民法207条で『土地の所有権は法令の制限内においてその土地の上下に及ぶ』と規定されています。例)電車の駅、線路、神社、仏閣、山林などのも私有地(個人の土地、法人の土地)が多い。

個人情報保護法

個人情報保護法第17条によって、「個人情報取扱事業者が、偽りその他の不正な手段によって個人情報を取得することは禁止されています。」。例えば、「不正な目的をもって隠し撮り」を行う等が考えられます。違法行為になります。ドローンによる撮影映像等は、①表札の氏名が判読可能な状態で写っていたり、個人の容貌が写っていたりなど②これらの映像にぼかし加工をしていても加工前の映像を保管している場合には、これらの情報は「個人情報」になり、データベース化されていれば「個人情報データベース等」になります。さらに、個人情報取扱業者の場合、個人情報に関する利用目的の特定(同法15条)、利用目的による制限(同法16)、取得に際しての利用目的の通知等(同法18条)にも対応が必要です。また、ドローンによる撮影映像等の個人情報がデータベース化されている場合には、安全管理措置(同法20条)等を講じることが必要であり、データを本人の同意なく公開した場合には、第三者提供の制限(同法23条)の違反となる場合もあります。

電波法

電波法は電波を利用するときのルールを定めている法律で、日本でドローンを飛行させる際にはドローン機体とプロポの間で、多くの場合

『2.4GHz帯の電波』を利用しています。

電波法4条  無線局を開設しようとするものは、総務大臣の免許を受けなければならない。                           ここでの無線局とは、無線設備及び無線設備を操作を行うものの総体をさし、無線設備とは無線電信・無線電話等の電波を送ったり、受け取ったりするための電気的設備のことです。無線電信とは電波により信号が送信される電波のことで、無線電話とは音声その他の音響を送り、または受けるための通信設備のことです。 ドローンにおいてはプロポ、ドローンの機体両方ともそれぞれ、無線局に該当し、無線局の開設は原則として免許制になっています。

ドローンにおける無線局

プロポドローン機体に操縦に使う電波を伝送
ドローン機体プロポに映像・画像や飛行情報を伝送

免許申請の手続きの際に当該無線局で使用する無線設備が技術基準に適合しているか否か検査されます。

『技適マーク』のついている製品は無線局免許は必要ありません。日本国内の正規販売店で発売されている一般向けのドローンの多くは『技適マーク』がついています。

外為法

ドローンを輸出する場合に関係するので、ドローンを操縦する目的ではほぼ関係ないと考えられます。

廃棄物処理法

不要になっつたドローンを破棄する場合、ドローンは産業廃棄物として扱われます(廃プラスティック類、金属くず、ガラス陶磁器くず等に該当)

廃棄物処理及び清掃に関する法律 第16条   『何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない』

自分の土地にうめたりしても不法投棄になります。

  • 中古品としてドローン業者引き取る、ネットオークション等で販売するケースも少なくない
  • ドローン業者引き取る
  • 所有者が自ら廃棄処理・・・産業廃棄物業者に有料で引き取ってもらう
  • 飛行中にドローン見失った場合・・・・適切な行動をとる必要があります。                                  ①人の死傷、第3者の物件損傷、飛行時における機体の紛失、航空機の衝突または接近の場合は国土交通省に事故情報の報告義務があるので、直ちに報告をおこなう。                                                             ②ドローンに関する損害賠償保険・機体保険等に加入している場合は、保険会社に相談する。

刑法

新幹線や鉄道の近くでドローンを飛ばし、誤って線路に墜落させた場合、過失往来危険罪の成立の可能性があります。

海岸法・港湾法

海岸法明確に制限、禁止の規定ありません場所によっては条例や自粛で飛行が禁止・制限されることもあります。
港湾法明確に制限、禁止の規定ありませんドローンを飛行させる場合、港湾を管理する港湾管理者の許可が必要。港湾管理者は港湾局か地方公共団体。東京都の場合、港湾局が港湾区域および港湾施設でのドローンの利用の運用方針を定めています。

河川法

国土交通省より河川利用の資料を添付します。

条例

各自治体が住民に危険が及ばないよう、条例によってドローンの飛行を禁止していたり、制限をかけていたりする場合があります。

条例は、法律よりも制定にかかるスピードが速いので、一度トラブルが起きると各自治体、あるいは都道府県全体に広がります。ドローンなどはその最たる例で、公園でドローンのトラブルが起こったことをきっかけに、条例に寄って公園規則が次々と定められていきました。

東京・大阪の都立公園や庭園はほぼすべて条例で飛行禁止

ドローン関連の条例でもっとも有名なものでは、都立公園や都立庭園でドローン飛行が全面的に禁止されている例です。実際に公園の利用ルールを見てみると「ドローン飛行禁止」と書かれていることを確認できるかと思います。

これらは「都市公園法」という法律で定められている「その利用が危険な場合や公衆の利用を妨げる場合には、公園の利用を制限、禁止できる」という条項に含まれると解釈されており、違反すると単なる迷惑行為ではなく「条例違反」という扱いを受けます。

理由として、不特定多数の利用者、特に子どもが多い公園では、ドローンが墜落した場合のリスクは計り知れないためでしょう。操縦者、他の利用者双方のリスクを避けるためにも、公園での禁止措置は妥当といえます。

ちなみに、改正航空法では総重量200g未満のドローンは、規制の対象になりませんが、条例ではすべてのドローンが該当します。そのため、トイドローンであっても条例ベースでは禁止される場合があります。

また、迷惑防止条例での注意事項

  • 住宅地にカメラを向けないようにする
  • 住宅近辺における撮影の場合、カメラの角度を住宅にむけない、またはズーム機能を住宅に向けて使用しない等の配慮をすることにより、写りこみが生じないような措置をとる。
  • 高層マンションは水平にカメラを向けない