通院等のために従業者が自ら運転する車両への乗車または降車の介助と併せて乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助、通院先での受診手続き、移動等の介助を行った場合に、1回につき所定単位数を算定できます。通院乗降介助の算定には適切なアセスメントを行いケアプランに位置付けられていることが必要です。
1. 通院等乗降介助を行う場合には、一連のサービスの中で身体介護や通院等介助の算定はできません。また、通院等乗降介助の所定単位数を算定するに当たっては、道路運送法(昭和 26 年法律第 183 条)等他の法律に抵触しないよう注意が必要です。運転中は移送行為を行っているため、報酬の算定対象ではありません。
2.通院等乗降介助を算定する場合は、片道につき所定単位数を算定します。乗車と降車のそれぞれを1回として算定することはできません。
3. 複数の利用者に通院等乗降介助を行った場合、乗降時に 1 人の利用者に対して1対1のサービスを行った場合には、それぞれを算定することができます。なお、効率的なサービスの観点から移送時間を出来る限り短縮してください。
4.「自らの運転する車への乗車又は降車の介助」、「乗車前若しくは降車後の屋内外での移動等の介助」、「通院先での受診等の手続、移動等の介助」とは、具体的に介助する行為である必要があります。乗降時に車両内から見守るのみでは算定対象にはなりません。
また、車への乗降の介助を行うのみでは算定できず、あわせて移動等の介助又は受診等の手続きを行った場合に算定対象となります。
5.「自らの運転する車への乗車又は降車の介助」、「乗車前若しくは降車後の屋内外での移動等の介助」、「通院先での受診等の手続、移動等の介助」を一連のサービス行為として含むため、それぞれを「通院等乗降介助○分」、「通院等介助○分」のように区分して算定することはできません。
6. 通院等乗降介助を算定する場合にも、適切なアセスメントを通じて生活全般の解決すべき課題に応じた様々なサービス内容の一つとして、総合的な援助の一環として予め居宅介護計画に位置付けられる必要があります。
○ 「通院等乗降介助」と「通院等介助」の区分
「通院等乗降介助」を行うことの前後に連続して相当の所要時間(20~30 分程度以上)を要し、かつ手間のかかる身体介護等を行う場合には、その所要時間に応じた「通院等介助」を算定します。「通院等介助」を算定する場合、運転に要した時間は算定対象外となり、「通院等乗降介助」を算定することはできません。
(例)乗車の介助の前に連続して寝たきりの利用者の更衣介助や排せつ介助をした後、ベッドから車いすへ移乗し、車いすを押して自動車へ移動介助する場合
○乗車時及び乗車前または降車時または降車後の介助に要する時間が20分未満の場合は通院等乗降介助、20分以上は通院等介助になります。
1.介護報酬について
要介護1~5 | 往路・復路の通院等乗降介助のみ |
要介護1~5 院内介助あり | 往路・復路の通院等乗降介助のみ |
要介護4、5 往路の乗車前、復路の降車後に20~30分の介助を行うが、院内介助を行わない場合 | 往路・復路に身体中心型(運転時間除く) |
要介護4,5 上記と同じで院内介助あり | 往路、復路を一括して、身体介護中心型を算定します。(運転時間除く) |
要介護1~5 往路乗車前に、乗車とは関係ない身体介護を30分~1時間 院内介 助なし | 往路・復路に身体中心型(運転時間除く) |
要介護1~5 往路乗車前に、乗車とは関係ない身体介護を30分~1時間 院内介 助なし (院内介助あり) | 往路、復路を一括して、身体介護中心型を算定します。(運転時間除く ) |
2.居宅が始点または終点になる場合目的地間の移送は算定可能に(令和3年改正)デイサービスから病院等へ行く場合
居宅➡デイサービス➡病院➡居宅 | ①帰りの送迎がないのでデイサービスの送迎減算 ②通院等のための乗降車の介助の算定がある場合デーサービス、病院間の算定可能 |
居宅➡ ショートステイ➡病院➡居宅 | ①帰りの送迎を行わないのでショートステイの送迎加算行わない ② 通院等のための乗降車の介助の算定がある場合ショートステイ、病院間の算定可能 |
居宅➡病院➡デイサービス ➡居宅 | ①行きの送迎行わないので送迎減算適用 ②居宅、病院間の乗降車の介助の算定がある場合デーサービス、病院間の算定可能 |
居宅➡病院等➡ショートステイ➡居宅 | ①行きの 送迎を行わないのでショートステイの送迎加算行わない ② 居宅、病院間の乗降車の介助の算定がある場合ショートステイ、病院間の算定可能 |
居宅➡複数の病院➡居宅 | ①行きまたは帰りの 通院等のための乗降車の介助の算定の算定がある場合病院間の算定可能 |
3.居宅介護従業者の資格要件ごとの所定単位数の取扱い
通院等乗降介助
ア 介護福祉士、実務者研修修了者、初任者研修修了者、介護職員基礎研修修了者
⇒所定単位数を算定します。
イ 障害者居宅介護従業者基礎研修修了者等及び旧外出介護従業者養成研修修了者
⇒所定単位数の 90 パーセントの単位数を算定します。
4.居宅介護の通院等介助の基本報酬
身体介護あり | 身体介護なし | |
30分未満 | 256単位 | 106単位 |
30分以上1時間未満 | 404単位 | 197単位 |
1時間以上1時間30分未満 | 587単位 | 275単位 |
1時間30分以上2時間未満 | 669単位 | 345単位*1 |
2時間以上2時間30分未満 | 754単位 | |
2時間30分以上3時間未満 | 837単位 | |
3時間以上 | 921単位*2 |
*1 以降30分増えるごと+83単位
*2 以降30分増えるごと+69単位
5.居宅介護における通院等介助の見直し
見直し後 | 従来 |
①自宅 通所系サービスの事業所が送迎 ②通所系サービス 通院等介助 ③病院等 通院等介助 ④自宅 *②③で通院等介助が算定できるのは③④間の算定がある場合 | ①自宅 通所系サービスの事業所が送迎 ②通所系サービス 通所系サービスの事業所が送迎 ③自宅 通院等介助 ④病院等 通院等介助 ④自宅 |
お気軽にお問い合わせください。050-3555-7236営業時間8:30-17:30(土日・祝日除く)
メールでのお問い合わせはこちら